HYPER LIFE

双極性障害でセクシャルマイノリティな筆者が日々を綴る

知ってる?性転換や名前変更の実情

    1. なぜ私のパートナーは、ホルモン治療・SRS(性別適合手術をしないのか
    2. 副作用
    3. トランスジェンダーが名前を変更する際に必要な物
    4. 胸オペ

 


ぼく、長女です。 [ 諭吉 ]

 

1. なぜ私のパートナーは、ホルモン治療・SRS(性別適合手術をしないのか

私と出会った当初、パートナーは「男性」になるためにホルモン治療(ホルモン注射、略してホル注と呼ぶ)も手術もするつもりでした。

ところが、みんなも知ってる(と思う)LGBTを当事者が語っちゃうよ - HYPER LIFE で述べたご夫婦が警鐘を鳴らしてくれたのです。

 

ズバリ「副作用」の問題です。

 

こちらのご主人は、今のようにLGBTセクシャルマイノリティという言葉が周知されるよりずっと前に、男性になるために行動していました。(彼はFTMの第一人者、虎井まさ衛さんに希望の光を見たそうです。)

 

ジェンダークリニックなんてほとんどなく、病院探しから始まり、性転換への国のガイドラインも決まっていなかったために、本来持つべき性別「男性」を手にするまで7年もかかっています。

 

今は病院にもよりますが、1年程度で性転換できるところもあります。早過ぎてちょっと怖いけど。私のパートナーは名前変更のための診断書だけで1年以上です。

 

このご主人いわくホルモン注射は正直、細かなところまでは分かっていないそうなのです。彼はかなり前に治療を始めたので「自分はモルモットのようなものだ」と言っていました。

それだけ性転換治療は、日本ではまだまだ新しく、未開とも言えます。

 

 

 

2. 副作用

ご主人が実際に負っている、ホルモン治療の危険な副作用(一部)

・血圧が上がる

・頻脈(心拍数の増加)

・激しい偏頭痛

上の2つは血管に負担がかかる、老化が早い、に繋がります。

 

元来、トランスジェンダーのホルモン治療は、FTMの場合、女性の体に男性ホルモンを注入するので、様々な反応が出て当然です。例えばこんな、、、

 

○ ハゲる

○ 体臭が強くなる

○ 体毛が濃くなる(ヒゲが生える)

○ 声変わりする

○ 筋肉がつきやすくなり、がっちりとした体型になる

 

と、男性になりたいトランスジェンダーさんから見れば欲しいものばかりです(ハゲるは除く??)

でも同時に危険も隣り合わせ。「うつになりやすい」というのもデメリットのひとつです。

 

こちらのご夫婦の奥様は、始終、彼を心配し、病院は必ず付き添っています。

 

考え抜いた挙句、ご主人はホルモン注射をやめました。けれど今でも先ほど書いた危険な副作用は続いているそうです。

 

この話をよくよく聞いて、相談に乗ってもらった私のパートナーは、せっかく身体・戸籍が男性になれても、周囲を心配させ続け、さらには早死にするかもしれない、そんなリスクを負ってまで男性戸籍を手にしたいのか、自分に問いかけたようでした。

 

しばらくの間、考え抜いた後、泣きながら「やめる」と言いました。

何も言わずとも十分伝わる苦渋の決断でした。

 

 

その後、1年以上カウンセリングを続けたおかげで診断書を頂き、家庭裁判所に名前変更の申し立てをしました。

 

 

 

3. トランスジェンダーが名前を変更する際に必要な物

主に郵便物や、宅配の記録ですね。

私のパートナーは5年も前から友達に協力してもらい、私も協力しました。通販などは利用しやすいです。

 

 

晴れて名前が女性名から変更され、パートナーは肩の荷がだいぶ下りたようです。

 

ホルモン治療もSRSも受けていなくとも、見た目がかなり男性っぽい(女性トイレに入って痴漢扱いされた経験多数。現在は男性用トイレorみんなのトイレ使用。)ので、病院などで名前を呼ばれることを極端に嫌がっていました。

毎回「名字だけで呼んでください」というメモを添えなければなりませんでした。

 

ところが名前が変わった今、「早く呼ばれないかな!」と楽しみにしています。

 

それから胸オペ(乳房・乳腺を切除する手術)をしたいようなので、こちらは好きにしてくれって感じです。私はバイセクシャルなので、なんでもこいです(笑)

とはいえ、胸オペで亡くなった方もいるので、やはり大きな手術はちょっと不安になりますね。

 

 

 

4. 胸オペ

先にも書いた通り、おムネをとる手術です。

実はこちらはジェンダークリニックに通わなくても、手術することはできます。

 

その場合、美容整形手術となります。巨乳の方がサイズダウンするのと似てるのかな?美容整形手術となるので、保険が利きません。でもお金があればすぐにでも受けられます。

 

私のパートナーは、低予算でいきたいので保険適用で手術するつもりです。だいたい60万円前後だったかな。そのためには性同一性障害の診断書が必要です。これで保険適用になるのもすごいですよね。

 

診断書なら、名前変更のときにもらったんじゃないの?って思うところですが、そのときの診断書にはこう書かれていました。

 

性同一性障害と診断する。男性名の使用が苦悩を低減すると思われる。だったと思う(-“-;)

 

というわけで、名前変更と胸オペは別のようです。病院にもよるかもしれませんが。

そのために、パートナーは今も元気に通院中です。月1回ね(^^;)

 

 

そんなわけで私はパートナーがいくら性自認は男だーと主張したところで、今の日本では正式には結婚できないのでありました。

 

それができる世の中になるといいんだけどねー。

だって税金とか絶対得だし。

と、結婚願望のなかった人なので、こういう現実的なことをまず考えてしまいます。

 

 

予備知識

胸オペと簡単に言っても、胸がきれいに取れるわけではありません。大きな傷痕が残ることもあります。

 

友人のFTMさんも、かなり大きな傷痕が残ってしまい、術後、何度もレーザー治療をしましたが、それでも消えなかったそうです。

 

男の体を手に入れたからと言って、人前で簡単に上半身ハダカになれるとも限らないのが現状です。

 

 

 


ぼく、長女です。 [ 諭吉 ]