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双極性障害でセクシャルマイノリティな筆者が日々を綴る

黒歴史:マルチ商法やってました④~勧誘からクロージングまで

黒歴史:マルチ商法やってました③ 報酬プランって実際どうなの? - HYPER LIFE

の続きです。ご存知の方も多いと思いますが、マルチ商法のやり方を経験者として解説してみます。

 

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勧誘

された方も多いでしょう。誰でも簡単に声をかけられるように簡潔な言葉に収められています。まずは興味を引くところから。乗ってきたら、少しだけ続けて、あとはアップに引き渡します。

 

例えば、私がやっていたのは、

 

マルチF 商材:美顔器・化粧品

「素肌美って興味ある?」

「美容とか全く興味なかった私が、今、きれいになることにハマってるんだ。」

「将来、シミしわの少ない素敵なマダムになりたいよね。」

などなど、ちょっと考えれば今でもいくらでも出てきます。

 

あ、この思考をブログのタイトル作りに使えばいいんじゃん(-“-;)

 

私の場合、本当に美容に興味が無かったので、「え?うさちゃんが?どうしちゃったの?」と興味を引くことは簡単でした。

 

対象は、全ての人、でした。アップからは「顔があれば誰でもいいのよ」と言われていました。素直な私はそれに従い、一回しか会ったことなくてもサロンに連れてきて、さらには購入までつなげることも出来ました。男性も連れて行っています。

 

美容系の場合、肌の悩みを持っていそうな人が狙われるような気がしますが、違うんです。意外ときれいな人の方が、常に美容情報にアンテナを立てているので興味を持ってくれることが多いです。

 

実際、私のアップ達も美容が大好きな人ばかりでした。私のような人は他のグループを見回しても少なかったです。

 

 

マルチP 商材:お金教育のeラーニング

「お金好き?」

「今後の運用とか考えてる?そういうのって知らないよね。教えてくれるところがあるんだけど。」

「将来までにどれくらい貯めておいたらいいか知ってる?」

など、どちらかと言うと、危機感を煽る形で攻めていきます。

 

こちらも私の場合、自分が本気でお金教育を受けたかったために、声かけも簡単でした。本気で受けに行った日経のセミナーでも声かけに成功しています。ほんとにどこに潜んでいるか分かりませんよ。みなさん、ご注意ください。

 

 

勧誘は、「少しだけ話して興味を引く」が肝心です。下手な人は「少しだけ」でなく、「全て」を話してしまい、『それマルチでしょ』と言われておしまいです。

 

簡単なことだ、と教えられますが、下手な人は下手です。特に初心者は上手くいかなくて、それだけで辞めてしまう人も多いです。

 

 

 

 

 

ABC

セミナーはよく知られていても、ABCという言い方をご存知の方はマルチを知っている方と思います。

 

A = AdviserB = BridgeC = Customer

と言って、A=アップB=紹介者C=新規さん、になります。

紹介者は、新規さんとアップの橋渡しをするので、Bridgeと言います。以下、A・B・Cを用いますね。

 

マルチでは勧誘活動によってつかまえたCさんを、次のステップとしてセミナーまたはABCに連れて行きます。

 

ABCとは、セミナーの日程・場所が合わなかった場合や、急いでいるときに行われます。喫茶店等で行われることが多いです。

 

ここでの座り方にも決まりがあります。

 

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まず鉄則として、Cさんを壁に向かわせる場所に座らせる。見えるものがAさんと壁しかないため、話に集中して聞くことができます。BさんはCさんの隣に座って安心させてあげます。

 

そしてAさんは最後のご登場になります。それまでの間、BさんはCさんに、Aさんがどんな人(と言うか、すごい人を強調)かを話しておき、Cさんに心の準備をしてもらいます。これをフォローアップと言います。

 

準備が整ったところへAさん登場。お仕事のお話しをしてもらいます。

 

喫茶店やファミレスで、妙に仰々しい3人がいたら(若者多し)ABCを疑ってみてください。もう私なんか一目で分かる、いらん目利きになりました。

 

 

ABCのメリット

少人数なので、AさんもCさんに合わせた話し方でお話しができる。

(当日までにBさんは、AさんにCさん情報を細かく話しておく。)

細かい説明ができる。質疑応答など。

大人数の場所が苦手なCさんには適している。

 

ABCのデメリット

セミナーのような大人数の雰囲気が感じられない。

トップ層に会わせられる確率は少ない。

 

 

セミナー

マルチ商法と言えばセミナーを思う方も多いと思います。

セミナーとは、貸会議室や、大きいとホール等を借りてマルチ企業の商材や仕事内容を、さも「誰も知らないすごいやつ」とばかりに褒め称えて説明するものです。

 

「こんなに大人数の人たちもやってるからね、安心なんだぜ」と、日本人の集団心理をついてきます。

 

また、セミナーにはトップ層が現れることも多く、こぞって挨拶に行きます。これはもうCさんだけでなく、BもAも喜んで向かっちゃう。そしてCを紹介。

 

「頑張ってね!」とか「ようこそ!」とか声をかけてもらい、「よかったねー!滅多に話せないんだよ!」と興奮気味で貴重さをアピール。これもフォローアップになります。

 

それから、Cさんの同世代・同性の会員と会わせることも出来るので、より安心感を与えられます。セミナーではいろんな人にCさんを会わせます。これを「つなぐ」と言います。

 

単純な人であれば、これだけでたいがい「へぇ~そうなんだ。なんかよく分かんないけど、やってみようか。。。」と迷い始めます。

 

 

そこへBプッシュまたはBの一言と言って、「私もやってるから一緒にやろうよ!」と背中を思いっきり押すのでした。これで意思決定を促します。

 

そしてクロージング

 

 

 

クロージング

そのまま、「契約」ですね。

Aさん。またはBさんがいそいそと契約書を出し、、、この時、興奮してバタバタしてはいけません。

 

Cさんの意思が揺れるかもしれないので、ほとんどの場合、BさんがCさんに寄り添って「楽しみだね!」とか言ってる間に、スムーズにAさんが契約書を取り出します。

 

Cさんはいつやる気になるか分かりません。また、どこで会えるかも分かりません。

なので、Bさん以上は常に契約書を持ち歩いています。常にどこに行ってもです。

 

そして「ここに名前書いてね」と言うのと同時に、ペンを持ちやすい方向に向けて手元に渡すのです!よくあることかもしれませんが、私はマルチでの心が揺れ動きやすいクロージングでの威力を見たのは初めてでした。

 

これはマルチPのトップ層の人に習ったのですが、彼の自然さったらなかったです。その人は元は不動産屋で働いていた人で、莫大な金額の不動産を売るときは、相手がその気になった瞬間を見逃さずに、このようにペンを渡すと、拍子でそのまま書くのだそうです。

 

すげー、人間って単純―。心理ってすげー。「瞬間」ってコワイですね。

 

そして契約書への記入が済むと「おめでとう!」とか訳わからん事言って、握手とかしちゃうんです。

 

こうしてまた一人、悪の道へ引きずり込まれてしまうのでした。

 

 

まとめ

・短く簡単に!全てを語らず、興味を引くだけ!

 

・日常生活、至る所に魔の手は潜んでいます。

 

・仕事の話は、少人数形式のABCと大人数のセミナー。

 

・常にアップやトップ層の事はフォローアップ。

 

・クロージングでは、Cさんの「瞬間」を見逃さない。

 

(なんだかマルチの教本のようなまとめになってしまいました。)